東奔政走:明暗分けた「増税連合」の両党首 自民総裁選がはらむ路線対立
2012年09月18日
【週刊エコノミスト 9月25日号】
◇古賀攻(毎日新聞政治部長)
政(まつりごと)は「祭り事」に由来する。その語源通りに、目下の状況は民主党祭り、自民党祭り、そして維新の会祭りの同時開催を思わせる。「総選挙近し」というかねや太鼓の音に囃(はや)されて、おごそかなはずの政に落ち着きがない。
民主党代表選は直近の首相選び。自民党総裁選は、衆院総選挙をはさんで数カ月後の首相選びになるとみなされている。その陰で、自らの生き残りしか眼中にない議員たちが、大阪維新の会の門前に列をなす。9月政局は何ともかしましい。
◇派閥長老のご都合主義
税・社会保障一体改革関連法は、与野党共同の増税プランという点で、極めて希有な例だ。その立役者は無論、民主党の野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁である。
ところが、法成立後に立ちはだかった党首再選の壁を前に、2人の立場はくっきりと明暗を分けた。
野田氏の再選を阻もうと民主党代表選に名乗りを上げたのは、赤松広隆元農相、原口一博元総務相、鹿野道彦前農相の3人だ。しかし、いずれも野田氏を脅かす存在ではない。一時は「反野田」勢力が細野豪志環境相の擁立を画策し、さすがの野田陣営も冷や汗をかいたが、3人が束になっても野田氏の優位は動かないというのが、大方の見方である。
逆に谷垣氏は自民党総裁選への出馬断念に追い込まれた。緊急の記者会見を開いて不戦敗を表明したのは、民主党代表選告示日の9月10日だった。前日まで「(政権奪還まで)あと一歩、この壁は私自身が体当たりしてぶち破っていかなければいけない」と語っていた谷垣氏だけに、衝撃的ではあったが、同時に「やっぱり」感を伴った。
それほど谷垣氏の党内基盤は、脆弱になっていた。

