2013年11月21日15時38分
昨年10月に発売されたウィンドウズ8。それからわずか1年、今年10月に最新版の「8.1」が公開されました。従来のウィンドウズであれば、ウィンドウズ8以降に公開された修正プログラムを集めた「サービスパック」となるところですが、今回はバージョンアップという形をとっています。新しい機能を少しずつでもより短い間隔で提供しようという、マイクロソフトの新しい方針に従った路線変更です。
スマートフォンやタブレットのような、個人がより身近に使える情報機器が広まるなか、パソコンの売れ行きはウィンドウズ8発売後の2012年末から前年割れが続いているという調査報告もあります。ウィンドウズ8.1はパソコン市場を活性化させるようなOSになったのでしょうか。(ライター・斎藤幾郎)
■「やりすぎ」を是正
多くのウィンドウズユーザーは、いわゆる「デスクトップ画面」を使う操作に慣れています。しかし、タブレットを強く意識したウィンドウズ8では、そのデスクトップ画面の操作が不便になり、批判の声が高まりました。
ウィンドウズ8.1はまずその点を大きく修正しています。
具体的には、ウィンドウズ8でタスクバーから削除した「スタートボタン」を復活させ(画面1)、ログイン時に「スタート画面(ウィンドウズ8から導入された画面)」でなく従来のデスクトップ画面を直接表示できるようにし(画面2)、アプリ起動用の一覧表示を使いやすくした(画面3)、ことなどです。
マイクロソフトはウィンドウズ8の開発にあたり、今後のパソコンはノート型やタブレット型など、より個人向けで小型のスタイルが大勢を占めると見込みました。iPadやアンドロイドなど、画面を指でタッチして操作する非パソコン系のタブレットに対抗する必要もあったことから、「デスクトップ」と呼ばれる従来の操作画面はそのまま残しつつ、「スタート画面」に代表されるまったく新しい操作画面を導入したのです。この新しい操作画面は、「新しいUI」などと呼ばれます。
困ったことに、新しいUIの下では、従来のウィンドウズ用ソフトは動かず、「ストアアプリ」と呼ばれる専用ソフトを使わなくてはなりません。しかもストアアプリは、ネットサービスの利用や映像、音楽などのコンテンツを表示再生するものなどが強い一方、文書作成などの分野(生産性アプリなどと呼びます)では従来スタイルのデスクトップ用ソフトには正直見劣りします。
つまり、ウィンドウズ8時代になっても、パソコンでいろいろなソフトを使って作業をするなら、利用者にとっての「メーン画面」はデスクトップ画面のままなのです。
ウィンドウズ8では、起動すると「新しいUI」がまず表示され、従来の「デスクトップ画面」にするにはユーザー側がそのつど切り替えてやらなければなりません。タブレットのような端末ならそれでいいのですが、従来通りのパソコンでデスクトップを使いたい人にはメリットがありません。
また新しいUIでは、画面を有効活用して作業内容に集中できるよう、作業中は使わない操作メニューを画面から隠し、必要なときに画面の外から内側に指を滑らせるなど特定の操作(ジェスチャー)で呼び出すという方法をとっています(マウス操作などでも代用可能)。これもデスクトップ画面を使い慣れた人にはあまりなじみがなく、操作に戸惑う一因となりました。
タスクバーからスタートボタンを削除したのも新しいUIの考えを採り入れたものでしたが、従来の「デスクトップ画面」にあったものまでなくしてしまい、ユーザーの猛反発を呼びました。さらにウィンドウズ8では「スタートメニュー」に代わり「スタート画面」を採用、デスクトップ用ソフトの起動がしにくい構造になっていました。
こうしたことで、必要以上に「新操作を押しつけて使い慣れたやり方をしにくくした」との印象を与えてしまったように見えます。
ウィンドウズ8.1ではこれらを修正することでバランスを取り、マイナス評価をプラスに近づけようとしています。従来通りの使い方をしたい人にしてみれば、「新しいUI」の部分は蛇足で、邪魔でしかありません。一方で、新しい利用スタイルや用途に合わせてUIが変化する必要があるのも確かです。新しい操作や考え方を採り入れる場合、従来の部分との混ぜ方が重要ですが、ウィンドウズ8の「新しいUI」は少々やり過ぎてしまったということなのでしょう。
■「8」の新要素部分にも改良の手が入る
ウィンドウズ8.1では「新しいUI」側にも改良が加えられました。いずれも実用度を高める工夫です。
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