



東京(日本)

東京は1964年の第18回夏季五輪に続き、2回目の開催を目指す。2016年から2大会連続の立候補で、今回の大会スローガンは「未来をつかもう」。東日本大震災からの「復興五輪」の意義も訴える。
強みは安定感。東京都はすでに4千億円を超える基金を積み立てている。交通網や宿泊施設などインフラが充実し、治安が良く政情も安定。これらを背景に「安心安全で確実な五輪」をアピールする。
計画では半径8キロ以内に競技会場の85%が集中するコンパクトさを強調。国際大会の開催経験が豊富なことも有利な点だ。
課題は、2度目を開く理念や意義の不明確さ。福島第一原発の汚染水漏れへの不安もある。猪瀬知事のイスラム発言、麻生副総理のナチス発言の影響や、国際スポーツ界での人脈の弱さも指摘される。
国際オリンピック委員会(IOC)の今年1月の調査によると、五輪の地元開催に「強く賛成」「賛成」と答えたのは都民の70%。イスタンブールの83%、マドリードの76%に劣る。
イスタンブール(トルコ)

イスタンブールは、東京と同規模の人口1385万人。面積は2・4倍の5343平方キロでトルコ最大の都市。開催されればイスラム圏初となる。大会スローガンは「ともに橋をかけよう」で、欧州とアジアの結節点をアピールする。
5度目の挑戦となる今回の計画では、ボスポラス海峡東側(アジア側)にも競技会場を配置。アジア側に新設するメーンスタジアムは半円形で海側を開け放ち、欧州側からも中の様子が見えるようにして「架け橋」を体現。「史上初めて100万人が見られる開会式」と宣伝する。
一方、両岸を結ぶ橋は2本だけで渋滞しがち。欧州側の選手村からアジア側の競技会場まで約30キロと、他の2都市に比べてコンパクトさに欠ける。
経済成長を背景に、第3大橋、新空港、海峡の地下を通る地下鉄や自動車道など巨大インフラ計画が並ぶが、経済が傾くと頓挫の懸念も。政府への大規模なデモや隣国シリアの内戦、選手にドーピング違反が続出していることも懸念材料となっている。
マドリード(スペイン)

スペインの首都マドリードは、国土の中心に位置する。人口323万人。面積は東京の約4分の1の605平方キロ。経済危機を逆手にとって「緊縮五輪」を訴え、五輪予算は30億9600万ドル(約3026億円)と3都市で最少となっている。
大半の競技会場が市中心部から半径10キロ以内にあり、東京とほぼ同等のコンパクトな計画。市の北東部と西部の2カ所に大きく分かれた会場を環状道路で結び、混雑する市中心部を通らず移動できる。選手村含む北東部の会場はマドリード・バラハス空港からわずか10キロ。選手村から競技会場へは20分かからない。
追加工事が必要なものもあるが、35会場のうち28会場が既存施設だという。「スペインはドーピングに甘い」という批判もあったが、強力な反ドーピング法が成立。7月に施行したことも好印象だ。
しかし、財源不足への不安は消えない。「イスラム圏初」をアピールするイスタンブールと比べると、開催理念や意義が明確ではない点は東京と同様だ。
「幻」の東京オリンピック決定(1936年朝日世界ニュースより)
「東京五輪聖火点灯」(「昭和の歩み ~激動の50年~」より)
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